競泳水着の着用強制被害を防止するための提言
これまでは被害の実情をまず知ってもらうことに力を入れてきたが、私1人の力では何も変わらないと思う。一部の地域だけでなく、広い地域で同じ様な悩みを抱える女性教師が多数いることも分かった。ハイレグ競泳水着を着用させることで性犯罪を助長してしまう事は疑いない事実です。30年くらい前までは女子の体操服はブルマが当たり前だったが、今ではブルマを着用させたらセクハラだと言われるくらい非常識さが理解されるようになった (水着責め被害を受けている母親の娘の女子高校生とメールした時に興味深いやり取りになったので以下に参考に紹介する)。
競泳水着の着用はブルマ以上に恥ずかしいと言われるので、10年、20年後にはこういう道をたどることを望みます。もちろん個人が好きで着用する事は構いません。今でもブルマを着用する愛好者はいるけど、嫌がる女性へ強制するハードルは格段に上がったので被害も大きく減ったはずです。
女子高生「女性の先生から聞いたんだけどブルマが強制だった時代があるってホントですか?」
私「ホントだよ。私の中学・高校時代もそうだった。 強制というか、指定の体操服だったから、それを使うしか無かった。」
女子高生「その先生も小中高生の頃に強制されてたみたいで 思春期以降ツラくてしかたなかったって 指定の体操服じゃ拒否なんてできないですよね? 」
女子高生「校内新聞で取り上げないかって話をしてみようと思うの」
以下に私が考える提言を示します。
・文部科学省、教育委員会、学校関係者、公営プール施設の管理者がやるべきこと:女性教師への競泳水着の着用強制(あるいは長時間着用せざるを得ない実態)・セクハラや性被害が生じるリスクや実態について調査すべき(プール担当にさせられた直後の声が特に重要)。ハイカットの競泳水着を選定する妥当性(値段優先ではなく、着用する女性の意見をちゃんと聞いていますか?)を十分説明すること。着替えに時間を要する女性にとってキツイ競泳水着を脱いで着替える時間が無いことへの対策、プールのそばに安全に着替えられる教師用女子更衣室があまり用意されていないことへの対策を行う事(予算不足や時間がかかるなど対応が難しいなら男性教師の担当比率を上げれば済む話)。日焼けの弊害が明らかになっているにも関わらずラッシュガードの着用を認めない理由を適切に説明すること(夏に屋外プールの監視業務を行えば分かりますが、わずか1週間でも肌が痛くなります。ラッシュガードを着用していても首から上や足首が焼けて痛くなるのでハイレグ競泳水着姿で働かせる異常さは明かです)。また民間企業と比べてハラスメント教育と安心して相談できる窓口が相当不足していると思われます。
相談を聞くと校長や管理職からの命令で着用を強制される女性が非常に多く、縦社会の学校では逆らえないため相談すらできないという構造的な問題があります。
・競泳水着を販売する大手スポーツウェアメーカへのお願い:ハイカットの女子用競泳水着の価格を意図的に上げ、その分、ミドルカットやスパッツタイプ、フィットネスタイプの価格を下げて指定の女子用水着に採用されやすい安価な戦略モデルを検討して頂きたい。
女子競泳選手の水着でさえ今やスパッツタイプが主流です。ハイカットの競泳水着は(使用する生地が少ないので)安いので指定水着に選ばれて売れるけど、突然これを着てと渡される女性には良い迷惑です。競技として泳ぐわけではなく、指導やプール監視、研修目的で着用するのであればそういうデザインである必要はないはずです。私は学校やプール施設、警察、海上自衛隊、海上保安庁、キャビンアテンダント(CA)の女性から相談を受けましたが、みな嫌がっていました。性被害を受けずに済んだ女性は幸運ですが、狙われた女性は競泳水着を着用させられたことで以後の人生を狂わされています。悪用されている性犯罪を防止するのも大手企業の役割だと思います。今後のモデルを投入する際には生の現場(若い女性やプール担当歴の浅い女性)の声をよく聞いて下さい。
「私は渡されたカタログから選ぶように言われたわ 生徒指導室で他の教師のいるところで」 「「ハイレグ限定」っては言われてないの でも予算が決まってて予算内だとハイレグ競泳水着しか選べないの 罠だった 自分で選んだことにされたわ」(2025年1月に来た相談)
ハイカットな競泳水着を着用する愛好家のニーズがあるのも確かです(購入したことがあるので私もその1人)が、そういう人達は値段が倍になっても買います。しかし、指定水着を選ぶ側は価格がもし倍になったら着用を強制するために選定する理由がなくなります。従って値段が安いせいで指定水着にされて着用を強制される被害を防げるようになるはずです。
ネットを検索したら科学技術振興機構(JST)に以下の論文があった。「快適性・健康」研究委員会活動レポート[8] 競泳用水着による体幹部圧迫が身体形状および人体生理に及ぼす影響
身体の非常に柔らかい部分では, 10gf/c㎡ 程度の比較的小さい衣服圧でも, バスト, ウエスト, ヒップの形状および寸法が変化し, バスト〉ヒップ 〉ウエストの順に寸法変化が大きいことがわかった
現在の水着の肩や鼠頚部の圧は高すぎると考えられた. ましてや, 選手の中には, 自分の適合サイズよりもさらに小さい水着を選ぶ者があると聞くが, 全く必要がないばかりでなく, むしろ生理的負荷が増大することが懸念される
この研究は、健康な女子大生7人を被験者としてわずか15分試験したものであり、職場で毎日10時間以上も着用せざるを得ない境遇に追い込まれている被害者への身体的負荷は、競泳水着の開発上でも想定されていない環境と思われる(メーカが推奨する使い方の範囲外だと思う)。
・マスコミやフリーのライター、性犯罪対策に取り組むNPOの方へのお願い:こういう切実で悪質なセクハラや性犯罪が存在するのに危険性が全く知られていません。女性も自分がそういう目に遭うまで考えてもみなかったと一様に言います。加害者が味をしめてあちこちで着用を強制しているので、被害者は増える一方です。公的機関もきちんと相談に乗ってくれないし、長時間着用する辛さを理解すらしてくれない(「子供の安全のためなら着用するのは当たり前でしょ」と言われたら現場の声なんて封殺されてしまう)のです。でも子供達を守る立場の女性教師も守らないといけないし、人権を無視する現状はひどいです。まずはこの問題の危険性をアピールし、加害者が悪さをしにくくなるような環境作りをしていかないと被害は減らないので協力して頂けないでしょうか? 1社でも動けば機運は変わると思うので 問い合わせ頂ければ協力します。
2023年6月以降、ジャニーズ性加害問題で報じなかったマスコミにも批判が起きたが、この問題に関しても幾つかのメディアに情報を提供したものの全く無視された(メディアの上層部もこの事件の加害者として関与しているからメディアに告発してもムダだと被害者女性から聞かされることも多い)ため、被害が拡大する要因となっている。いつの日かこの問題が明らかになった時にマスコミが批判される事が無いようにして頂きたい。